WORK COLLECTION

作品集

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WORK COLLECTION : STORE

玄孫

  • 敷地面積:231.68㎡
  • 建築面積:96.88㎡

百六十年前の土蔵、仙台・本町に蘇る。

明治時代の土蔵に新たな息吹を—。
人々の想いがつながり、ついに実現。
青葉区本町と言えば、老舗の家具屋が軒を連ねる“本町家具の街”を連想する人も多いだろう。だが近年、郷愁を感じる街並みの背中には高層ビルが立ち並びはじめ、新旧のコントラストを帯びた街へとその表情を変えつつある。
この通りに2015年3月にオープンしたのが、「飲み喰い処 玄孫(やしゃご)」。早くも本町の新たなランドマークとして、連日にぎわいを見せている。「玄孫」は隠れ家的居酒屋「壽哲廸(おやじ)」、町家を思わせる一軒家居酒屋 「伜(せがれ)」の姉妹店。一号店から設計・施工を手掛けてきた『古遊工房』としても、思い出深い仕事のひとつだ。
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施主である有限会社おやじグループ代表・石山 靖さんが経営するお店はすべて本町に点在する。「本町という街と人に育てられてこそ、今の自分たちがある。たくさんのお客様に本町に足を運んでもらい、集ってもらう場所を提供することがこの街への最大の恩返し」だと話す。
ある日、一本の連絡があった。明治時代の蔵が鶴岡市で見つかったと言う。その蔵は、今から160年ほど前に建てられた土蔵。住所をメモしながら、石山さんの顔が浮かんだ。その蔵の場所は鶴岡市“本町”だったのである。

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人と人とがつながりて。点が一つになる。

古遊工房×建築家・大角雄三氏による
はじめてのコラボレーション。
今回、明治初期の土蔵移築再生工事にあたり、ある人の存在が遊佐さんの頭の中にあった。古民家再生のエキスパートとして知られ、グッドデザイン賞、住まいの環境・デザインアワード文部科学大臣賞など多数の賞に輝く、建築家・大角雄三さんだ。全国から仕事の依頼が絶えないプロのうえ、大角さんの事務所のある岡山県は仙台から約400キロ。駄目で元々。それでもいいから会いたい気持ちが距離を越えた。
大角さんはこう言う。「打ち合わせの中で、人と人のつながりを大切にするお店にしたいと伺っていたので、一階は長いカウンター席や厨房から目配りのしやすいテーブル席などを設計しました」。
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親父、せがれ、孫、ひ孫、玄孫と続く店に。

家が代々受け継がれていくように、
お店や職人の魂もこの街で。
「東北の雪や寒さは温暖な岡山との大きな違い。二重屋根や蔵の横に新たに設けたテラス席は断熱効果も期待できますね。渇きに時間がかかるので、南のほうでは冬場にしっくい作業は行わないのですが、熟練の技を持つ古遊工房の職人さんたちと言えども大変だったと思います」。
「玄孫」のロゴマークは5つの輪がモチーフ。親父、せがれ、孫、ひ孫、玄孫と家が代々受け継がれていくように、お店や職人の魂もこの街でずっと受け継がれていくだろう。
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