趣味のギャラリースペースと
暖かなリビングで客をもてなす。

長きに渡って物置きとして存在し、家人さえも寄り付かなくなって久しい築100年の納屋。どの道、解体して新築という周囲の声を聞けば聞くほど、“なんとか再生したい”という気持ちが高まってきたという施主。納屋という用途上、柱や梁は細いものだったが、丁寧に木々が組まれており、古民家の傷んでいた部材の交換・補強をし、これからの100年へと向けた家へと再生した。母屋と分断されていた納屋を廊下でつなぎ、納屋は水回りと薪ストーブのあるあたたかなリビング、そして畳敷きの応接室へと生まれ変わった。リビングから外に目を向けると、自慢の中庭の四季折々の移ろいがいっぱいに広がる。古きよきものと新しきものが融合し、穏やかな時の流れる空間へと生まれ変わった。

リビングの隣にあつらえた応接室には施主お手製の山葡萄のつる籠や花かごが並べられ、ギャラリースペースとしての役割も果たす。間接照明と既存の柱がバランスよくなじみ、しっとりと落ち着いた佇まいに。