先祖代々への敬意を感じさせる、
残しながら、快適性を高める美学。

築100年ほどの母屋は月7日ほど営む陶器のギャラリーショップと自宅を兼ねた空間。過去に屋根改修なども行い、代々大切に住み継がれてきた住まいだが、基礎の強化や断熱改修、キッチンの日当たり改善が今回の再生工事のテーマ。これまで曖昧だった店舗スペースと居住スペースを区別するためにも、母屋の再生工事と合わせ、別棟の新築建築もご提案し、分棟型の住まいが完成。まず取り掛かったのは母屋の左手に新設するリビング棟。母屋からキッチンをリビング棟に移し、光が降り注ぐ開放的に空間に。リビングにも古材を用い、母屋との一体感を演出。続いて取り掛かった母屋は黒光りする柱や梁が印象的な空間。母屋の大部分は店舗スペースとして使用されている。

母屋・リビング棟と工事を二期に分け、約1年の時をかけて完成。風除室のような形で新設した玄関が新旧二つの建物をつなぐ。元の形をそのまま残したいという施主の要望から、田の字型の間取りなどを残しての古民家再生となっている。